Cheers! 前回レッスンレポートをしていただいた、Chizuruさんに続き、生徒の視点から取材させていただきました、Harukaです。
早速ですが、いま私はレッスンで作って、お持ち帰りしたドイツポテトパンを片手に、このレポートをのんびり書いてま〜す。丁度いい塩気のきいた、中がふっくら、外のクラストがカリッのパンは最高!一口パンを噛むごとに、昨日のレッスンの Sweet Memoriesが思い出されま〜す….
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私が参加したのはディアナさん主催の「Abendbrot」ドイツの自家製パン祭りでした。「Abendbrot」とは 直訳で夕方のパンという意味で、ドイツの平日のディナーです。
さて、ドイツの平日のディナーと聞いて真っ先に私が思いついたのはコレ↓

Source: dailymail.co.uk
あとやっぱり欠かせないのは↓

ビール!浴びたいっ! source: dailymail.co.uk
どちらもオクトーバーフェストの写真ですが、今回みんなで再現する日常のディナーとはどんな感じ?
ディアナさん教えて!
ディアナさん:「ドイツ人の食事は至ってシンプル!パンと一緒にコールドカット、ピクルス、薄くスライスしたカブなどの野菜、パテ、チーズディップなどが食卓に並び、家族みんなで自分のプラッター(木材のボード、ドイツではお皿として使われている)に好きなものを好きなだけのせて食べるのよ。」
そっか、だからドイツ料理屋やビアガーデンにいくと、木の板にお料理がでてくるんですね。オクトーバーフェストの御馳走の内容のシンプル版なんだね!
レッスン当日、私が到着した頃には他の生徒の方はもうエプロンをつけて準備満タン。ウェルカムドリンクを飲みながら他の人がくるまで、楽しく話しました。
ディアナさんは深夜三時からワールドカップのドイツ対フランスを六本木のバーで観戦したため、ちょっと寝不足。コーヒーでエネルギーチャージ!
完璧すぎる歓迎と気さくな性格に、レッスンが始まる前からみんなディアナさんにぞっこん。
そして綺麗に飾られたテーブルセッティングを後ろに、いよいよレッスンスタート!
今回ディアナさんが教えてくれるのは三品:ポテトパン、プレッツェルの生地で作る南ドイツのLaugenbrotと南ドイツで有名なクリームチーズ「Obazda」です。
パンにもっと親しみをもってほしいと、ディアナさんは少し作るのに時間がかかるポテトパンとすぐ簡単に出来るショートブレッドのプレッツェルを教えてくれました。
はじめに私たちが作り始めたのは…KARTOFFELBROT、 ジャーマンポテト入り田舎パン。
いまと違って昔のドイツは貧しい人々が多く、小麦粉は贅沢品で、小麦粉を百パーセント使った白パンは裕福な人にしか行き渡らなかったそう。そこで、賢い庶民が考えついたのが、ポテトで小麦粉の半分の量を代用したポテトパン。庶民の白パンとして親しまれたそう。いまはその庶民のパンが白パンより人気なんだとか!世界共通、人間は食べ物がかかってると誰でも発明家になるよね。
ディアナさんはこのクラスのために、ポテトパンを日本のスーパーに売っている材料だけで見事再現。何回も試行錯誤して、やっと作り出した努力の結晶のレシピを教えてくれます。感激!
なので材料は、パン作り経験者には信じられない日清の薄力粉。生徒さんも数人驚きの雄叫びをあげていました!それとボイルしたポテト。日本のジャガイモはデンプンが多いのでポテトパンに最適なんだとか。これぞ日本食材とドイツ文化の自然のマリアージュ。
最後に上に中央に写っている「スターター生地」。日本のパン作りと違って、事前に作って発酵させたスターターをインスタントイーストと混ぜてつくります。
使われたインスタントドライイーストはこれ。パン作り慣れしている生徒さんがまた「これでいいの!?」と驚愕していました。パン作り初心者の私にはわかりませんでしたが、これも普通のスーパーに売っているみたいです。
材料が揃ったところで ディアナさんが両親から受け継いだ自慢のブレッドミキサーが登場。1979年に買われた、35年もののベテランミキサー様に生地を放り込んで、あとはおまかせ!
ディアナさんは生地の柔らかさ、弾力さなどの違いを丁寧に教えてくれました。
10−15分ぐらいミキサー様にこねてもらったら、生地を常温で30分休めます。休めることで小麦粉とイーストがいい友達になって馴染むんだそうです。ちなみにディアナさんは35度のオーブンの中で友達作りを支援。こうしないと小麦粉とイーストの間に大きな気泡ができて、お友達になれないんだとか。
待っている間にディアナさんはみんなにパン作りのコツを伝授:「イーストを大事にしなければいいパンは作れません。イーストが元気にいるためには常温を保ってあげることが必要。熱すぎても冷たすぎてもだめ。人間と同じ!」
パンも生きて、エンジョイライフしてるんですね。
ポテトパンが友達になっているあいだに、プレッツェル作りに取りかかりました。
Laugenzopfeと親しまれるプレッツェル生地のツイストパン。ドイツを代表するパンの一つです。
ドイツでは食事やおやつとして一日中食べられる必需品。子供達のお手軽おやつとして親しまれているんだとか。冷凍保存にも適しているから大量に作りおきするのもOK!
ディアナさんはスイス人の旦那さんの朝食のために焼くらしい(羨ましい!)。朝にちゃちゃっと焼けちゃう簡単なパンだから、「ショートブレッド」なんだとか。それを聞いたみんなはちょっと半信半疑。だって難しそうなんですもん!
5つの材料(水、イースト、小麦粉、塩、砂糖)をボールに入れたら、よくあるハンドミキサーで練ります。
上下ミキサーを動かしてこねるのですが、結構力が要るんです。体験した生徒さんも暴れ回るミキサーを上手にコントロールしてました。これで今週ジムでウォークアウトする必要なし!なんて冗談言ったり(汗)、だからドイツのパン屋さんってマッチョが多いんだ!とか盛り上がったり。乙女の妄想はどんどんパワーアップ。
生地が出来たら楽しいパンの整形です。まずディアナさんがお手本を見せてくれました。
今回教えてくれたのは丸パンとツイストの形の作り方。
お手本をみたら私たちの番!みんな一つずつコネコネしました。
自信作にみんなニンマリしたところで、次のステップ:Lauge! 生地を重曹と沸騰した水でゆでて色付けします。プレッツェルの赤茶色の色はLaugeからきます。実は肉まんも重曹でゆでられているらしい。でもプレッツェルと違って肉まんは蒸されるから色がつかないそうです。みんなそんなディアナさんの豊富な知識を早速メモしてました。
茹で時間は十秒。みんなかくれんぼしているときみたいに、「いーち、にーい、さーん」っと真剣に数えて茹でました。
でも大人だから出番を待っている間に洗い物を早くも開始。さすがです。
さっきのお友達作り中のポテトパンは外に出して、プレッツェルをオーブンに。220度で15分!
その間にもう一品。お料理上手は時間活用もうまいのでーす。
第三品目、南ドイツで有名なクリームチーズ「Obazda」作りレッツスタート!
Obazdaも庶民の知恵の最高傑作。ちょっと古くなって、舌に刺さるような食感がある、腐る寸前ギリギリセーフ(?)のソフトチーズをスパイスと混ぜてクリームチーズにして長持ちさせちゃおうとできたのがObazda。ビールガーデンでよくキンキンに冷えたビールとプレッツェルと出されるのがこのObazda。かー酒飲みにはたまらん組み合わせですね(試食時によおくわかりました)。
今回はブリーチーズ(現代人は贅沢に新品で作ります)で作りました。ベースになるブリーチーズとバターを混ぜたら、味付けのスパイスをミキサーで混ぜます。
スパイシーパプリカを入れたら辛くなるし、オニオン、マスタード、クミンをいれたら違う味に。欲張りなみんなは全部入れちゃうことに!
そして最後の愛情の隠し味...
さすが、ドイツ人。愛情の隠し味はビールなんですね。ディアナさんによるとこれはディアナさんのおばあさんのレシピ。ビールやバターが贅沢品だった時代に育ったおばあさんの世代は、どの料理にもそれを隠し味としていれたがるそう。日本人も日本酒は料理に欠かせないので勝手に納得。
さてオーブンがなりまして、登場したのが焼き上がったプレッツェル。
キャーーーーーーーーっとピンク色の音色がディアナのデザイナーズキッチンに響きました。
すぐに食べたいところだけど、ポテトパンの形をつくらなければなりません。それはディアナさんがお腹がぐーぐーなってる生徒の様子を察して素早く教えてくれました。
生地を模様の入ったボールに入れて休めたので、生地には可愛い模様が!
上にばってんの切り目を入れて、温度を変えながら焼きます。実はディアナさん、前もって同じものをもう一つ先に焼いておいてくれました。
という訳で全部の料理が完了!みんなで手分けして綺麗なテーブルに傑作を並べていきます。このほかにも、コールドカットや、野菜のスライス、ゆで卵、テリーヌを用意してくれていました。
記念撮影をしてから、
まずは焼きたてプレッツェルを半分に割って、おすすめの食べ方をトライ!バターをひと塗り、カブと大根の薄切りを重ねて、塩をパラっとふってがぶりと頬張ります。美味でございます!!!!!!!ふわっと柔らかい生地にバターがトローッと溶けるのをみるのが何ともいい。
パンにピクルスとリエットをのっけてたべたり、作ったクリームチーズと卵とキュウリをつけて食べたり。いろいろな組み合わせで違う味が楽しめる、なんとも楽しい夕方のディナーでした。
しかもディアナさん、季節のスープを出してくれました。これはグリーンピースのスープ。サワークリームと紫スプラウトをトッピングしてくれました。なんて綺麗なのおいしいの、このレシピも今度習ってみたいです!
さてお腹いっぱいになってきたらいきなりのデザートのサプライズ。「用意したのだけど食べる?」とディアナ先生。
きゃあああああーーーーーーーーーーーーーーー!!!(ハートハート)と生徒達は大反響!乙女ハートにロックオンでした、ディアナ先生。
「イーストで作れるものがたくさんあるっていうことを知ってもらいたくて、シンプルなイーストを使ったバターケーキを作りました。」と先生。みんなデザートの方向に食べるのをやめて猛ダッシュ。
コーヒーもいれてくれて、みんなでデザートタイム。そとのアーモンドシュガークラストはサクサク、中はパンみたいにもちもち。とっても軽くてさっぱり(=罪悪感の少ない!)ケーキでした。先生天才!
美味しいご飯と弾む会話でみなさんすっかり、あふれんばかりの笑顔。お皿洗いをしたら、また楽しいおしゃべりを繰り返し、「なんだか今日初対面だとは思えませんね」といいながら、こんな楽しい時間と場所を提供してくれたディアナ先生とTadakuに感謝しました。
帰り際にまたサプライズ。先生がデコレートしたラッピング紙で、今日食べた後に焼き上がった、ポテトパンとケーキの残りを包んで、「夜の小腹がすいたときに」と持たせてくれました。素敵なお心遣いにまたもや感動。
みんな大事にお土産を抱えて、ディアナ先生の家をはなれました。帰り際エレベーターの中で「勇気出して参加してよかったね」、「食べ物が大好きな人が集まるとこんなに盛り上がるんだね」とはなし、また会えることを願ってお別れしました。素敵な人を集める食の力はすごいですね。
以上レッスンレポートでした。もぐもぐパンもとっくに終わってしまいましたが、幸せー!